●世界記録の瞬間

幕張メッセ特設会場にアナンスの声が鳴り響く「ワールドレコード!」、その瞬間場内から歓声がわき上がった。
“3秒375”従来の4Cクラスレコードを0.026秒上回ったその数字に、ピットクルーが両手を突き上げ叫んだ。スタートラインから戻るメカニックには祝福の拍手が、ライダーはピットロードを他のチームに囲まれ照れくさそうにして戻ってくる。

●SS1/32mileドラッグレース

1/32mileは50.29メートル、SSとはスタンディングスタートのこと。わずかな直線を静止状態から加速していくSS1/32mileドラッグ。0→400mとは違いすべてが一瞬で決まってしまうシビアなレースといえる。
ノザワホンダがこのドラッグにチャレンジし始めたのが2003年。ロードレース用にチューンされたタイホンダNICE110のエンジンをモンキーのフレームに載せただけで参戦。
4st125ccミッション車で争う4Cクラスで、3秒596秒の好タイムをたたき出し年間3位のランキングを獲得。しかし、この段階でのレコードは3秒427。0.1秒以上の差があり、本格的なマシンの制作に取り組む必要があった。

●驚異のタイム

2004年シーズンは、レース数を減らし一発勝負で挑んでいたが、これが裏目に。結果的にベストタイムは3秒576。100分の2秒縮めるだけに終わってしまった。そんな中、驚異のタイムでレコードが更新された。新しいレコードホルダーはパーツメーカーとして君臨しているKITACO、そのマシンがたたき出したタイムは驚異の3秒401。その衝撃は圧巻だった。この段階での差は、0.1秒以上!0ー50mのレースでのこの差は、ある意味絶望的な数字ともいえた。

●熟成のシーズン

2005年を迎えて、昨年の経験からスポット参戦でなく本格参戦に。10月の段階で8戦して7勝を上げる。しかし、KITACOを破ることができない。タイムはここにきてやっと3秒4に突入した。残すは後1戦、ここからスペシャルエンジンの製作が始まった。
KITACOの素晴らしいところは、そのほとんどが市販されているパーツで構成されているため耐久性もあり汎用にすぐれていること。しかしノザワマシンのエンジンユニットは、そのほんどのパーツに手が加えられているため信頼性に疑問が残る。だが最終戦に向けてはギリギリのチューニングしか残っていない。

●マスターズ戦そしてワールドレコード

2005年12月11日、曇り。朝から気温が上がらない幕張メッセ特設会場。2005年度のトップランカー達で競うマスターズ戦が始まった。路面のミューが低いためか、なかなかタイムが上がらず、強者達も厳しいタイムとなっていた。
一本目 3秒486
二本目 3秒447
三本目 3秒427
午前中のアタックでベスト更新。レコードには届かないが、今日のトップタイムを記録した。そして、午後のアタックに。
四本目 3秒428
五本目 3秒446

午後になってタイムが縮まらない。だが四本目はスタートでウイリーしてのタイム、コンスタントに3秒4前半に入れることができるマシンに仕上がっている。レコードホルダーのKITACOも午後に入ってどんどんタイムを縮めている。チャンスは後一回、ゆっくりマシンがスタートラインにつく。

絶妙なスタート!ほとんどロスが無くするどく加速していく。
20m手前で2速にアップ、さらに加速が伸びる。
速い、その迫力にギャラリーがどよめく。弾丸のように加速しながらのゴール。
そして「3秒375!ワールドレコード達成!!」の声、そして歓声。

最後に
今まで応援して頂いた皆様、ならびに温かい目で見守ってくれた参加者の皆様、
そして、このレースを運営し盛り上げているスタッフの皆様に感謝します。

ノザワホンダ一同